日本臨床生理学会雑誌
Online ISSN : 2435-1695
Print ISSN : 0286-7052
51 巻, 5 号
日本臨床生理学会雑誌
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
Review
総説
原著
  • 山下 朝美, 高畠 孝児, 花城 和彦, 砂川 昌範
    2021 年 51 巻 5 号 p. 171-177
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/06/09
    ジャーナル オープンアクセス

     背景:現在,褥瘡に対する電気刺激による治癒促進の可能性が報告されている(褥瘡予防・管理ガイドライン推奨度B)が,電気刺激治療のプロトコールが定まっていない.電気刺激療法の確立には,種々の電気刺激条件に対する細胞反応の変化の計測が必要とされる.

     目的:本研究では,培養ヒト皮膚線維芽細胞に各種電気刺激を与え,VEGF mRNA 発現量およびⅠ型コラーゲン放出量に着目し,種々の電気刺激条件との関連を検討した.

     方法:電気刺激条件は,方向(水平と垂直),矩形波(直流波とパルス波),強度(0,100,200,400 μA の4 強度)とした.刺激時間は40 分に設定し,パルス波の条件はパルス幅250 ms,周波数2 Hz とした.VEGF mRNA 発現量は逆転写real-time PCR,Ⅰ型コラーゲン濃度は ELISA 法を用いて測定した.

     結果:VEGF mRNA 発現量は,刺激方向および矩形波による違いを認めず,何れも刺激強度400 μA で有意に増加した(p < 0.05).Ⅰ型コラーゲン分泌量は400 μA の水平方向直流刺激で有意に増加した(p < 0.01).

     結論:VEGF mRNA の発現量およびⅠ型コラーゲン分泌量は電流量依存性に増加し,特に400 μA で最も増加した.有効な電気刺激方法のさらなる検討が必要である.

  • 山藤 和夫
    2021 年 51 巻 5 号 p. 179-184
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/06/09
    ジャーナル オープンアクセス

    血漿総蛋白濃度[TP] が低下すると,酸・塩基平衡が維持されるように,血漿クロール濃度[Cl-] が増加して血漿ナトリウム濃度とクロール濃度の差[Na+]-[Cl-] が縮小する代償反応が働くとされている.この代償反応を検証した.さいたま市立病院において2 年間に施行された血液生化学検査から,[TP],[Alb],[Na+],[Cl-] のデータセット156,220 例を収集した.各[TP] 値および各[Alb] 値における[Na+]-[Cl-],[Na+],[Cl-] それぞれの平均値の95%信頼区間を求め,これら信頼区間に基づいて[TP] および[Alb] に対する[Na+]-[Cl-],[Na+],[Cl-] の各回帰線を推定した.その結果,[TP] および[Alb] の低下に伴い[Na+]-[Cl-] が縮小することが確認された.また,[Na+] と[C-] は連動しつつ,その差が縮小することが示された.

  • 内本 定彦
    2021 年 51 巻 5 号 p. 185-189
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/06/09
    ジャーナル オープンアクセス

     背景:2 型糖尿病患者では,発症早期より左室拡張障害が出現する一方,心腎連関も注目されている.今回左室拡張能と腎機能との関連について検討する.

     方法:明らかな心不全のない2 型糖尿病患者173 例(男90 例,女83 例,平均年齢65 歳)を対象に,心エコー検査を行った.左室拡張能の指標としてE/e′を測定し,臨床指標および腎機能の指標としてeGFR との関係について検討した.

     結果:単回帰分析では,E/e′は年齢(r = 0.401,p < 0.01),eGFR(r =- 0.315,p < 0.01)と有意な相関関係がみられた.E/e′は,高血圧のある患者および腎症ステージ2 および3 期の患者で高値であった.またE/e′は,重回帰分析でeGFR(t 値2.379, p < 0.05)と有意な関係がみられた.

     結語:心不全のない2 型糖尿病患者において,左室拡張能と腎機能は関連する可能性が示された.

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